• 日本の古代史を考える—⑦広開土王碑

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    時代は前後しますが、「⑥宋書夷蠻伝倭國条」でも触れた「好太王碑」、正式には「広開土王碑」に「倭」と「高句麗」の戦争の様子が書かれているので、関連部分を抜き出して、見てみたいと思います。

    百残新羅舊是屬民由來朝貢而倭以辛卯年來渡海破百残■■■羅以爲臣民

    百済新羅はもともと高句麗の属国であり、昔から朝貢してきていた。ところが、倭は辛卯の年に海を渡って来襲し、百済、■■■羅(新羅?)を破り、自分たちの属国にしてしまった。

    碑の第一面、永楽五年(西暦395年)のところに出てくる文です。実は、高句麗百済新羅を属国にしたことはなく、また、倭が百済新羅を属国にしたこともありません。じゃあこの文は何を意味しているのだというと、好太王(広開土王)が「侵略してきた無道な倭を撃破して散々な目に遭わせる」という本文のための前振り部分なわけです。好太王(広開土王)の業績を讃える碑ですから、その敵である倭は極悪非道でなくてはなりません。まあそういうことは置いておいて、この碑が残っているおかげで、四世紀末から五世紀にかけて、倭と高句麗が激突を繰り返した事実がわかるのです。どちらが正義かは、暇なサヨクのみなさんのお喋りに任せておきましょう。なお、文中■とあるのは、字が欠けて読めなくなってしまっている部分です。ものすごく長い間野ざらしでしたからねえ。

    九年己亥百残違誓與倭和通王巡下平穰而新羅遣使白王云倭人満其國境潰破城池以奴客爲民歸王請命

    永楽九年(西暦399年)己亥、百済は誓いに違背して倭と手を組んだ。王は平壌に退いた。そこに新羅の遣使がやってきて王にこう申し上げた「倭人が国境に満ちて城池を破壊し、呼び寄せた奴隷を住民として定住させています。王の仰せに従いますのでご命令をお願いいたします」

    第二面にある、倭の侵攻の様子です。ここで、倭・百済連合対高句麗新羅連合で戦争となったことがわかります。倭が新羅の国境を越えて征服した土地に、よそ者を移住させているとあります。本当にわざわざ奴隷を呼び寄せたりはしないでしょう。侵略を受けた側からすると異民族が自分たちの領土に我が物顔で移ってきたわけですから、「奴」と罵りたくなる気持ちはわかりますが。

    十年庚子敎遣歩騎五萬住救新羅從男居城至新羅城倭満其中官兵方至倭賊退自倭背急追至任那加羅從拔城城即歸服安羅人戌兵

    永楽十年(西暦400年)庚子、歩騎五万を派遣して新羅を救わせた。男居城から新羅城に至るまで倭軍が充満している中を官兵で攻撃し、倭の賊軍を退けた。倭軍の背後を急追し、任那加羅の從拔城へ至った。城はすぐさま降伏し、新羅人の国境守備兵を保護した。

    その続きです。高句麗軍大進撃の巻。倭・百済連合軍は散々に蹴散らされてしまいます。任那に侵攻を許したということは、倭の領土に攻め込まれたことを意味します。ひどい負け戦ですね。

    十四年甲辰而倭不軌侵入帯方界

    永楽十四年(西暦404年)甲辰、しかるに倭は、無道にも帯方の境界から侵入してきた。

    第三面から。ところがそれで倭が大人しくしてるはずもありません。四年後また戦争をしかけてきます。今のソウルあたりからということは、またもや倭・百済連合軍です。

    倭寇潰敗斬殺無數

    倭の賊軍は潰敗し、無數の兵を斬殺した。

    この後、欠字が多く、倭軍惨殺の様子を克明に調べる目的もありませんのでカットしてます。いやもう余すところなく倭の兵を斬り殺したとか、はぎ取った鎧甲が一万を越えたとか、分捕った軍資は数え切れないほどだったとかあるのですが、売国サヨクの方が大喜びしそうな文章です。それはともかく、倭と高句麗の間に確執があり、こうして碑文に見えるだけでも二度戦争があったことがわかります。当然この二度だけということはありえないわけで、何度も激突を繰り返したのでしょう。高句麗は五世紀が全盛期で、碑文にあるよう自衛のための戦争しかしなかった…わけがありません。高句麗側からしかけた戦争であっても、倭の侵略というように粉飾している可能性は十分あります。しかし問題はそんな点になく、四世紀から五世紀にかけて、倭が積極的に朝鮮半島へ出撃し戦争を繰り返し行ったという事実です。『宋書』夷蠻伝倭國条に載せられている倭王武の上表文にあった「渡平海北九十五國」が誇張でも何でもなく、事実あったことだとおわかり頂ければ、この項の目的は達せられたことになります。

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